ザシアン

マイ・ブラザーのザシアンのレビュー・感想・評価

マイ・ブラザー(2009年製作の映画)
1.5
どうしても妻の行動に共感ができない。
観ている方からすると、サムの“ビフォーアフター”の変貌っぷりはよくわかる。
娘に対する言葉遣いや妻に対する眼差しなどが、以前とは決定的に違う。
笑顔どころか表情すら無くもはや彼は生きた屍だ。

弟のトミーは兄のいぬ間に少しずつグレースや彼女の娘達と良好な関係を構築。
兄への劣等感と、得たくても得られない父からの賞賛の言葉への渇望があるのかもしれない。

帰還したサムの変化をいち早く感じ取る幼い娘達の心理といい兄弟、夫婦、家族の葛藤、中々に面白いテーマを数多くもっている。

ただ残念なのは心の拠り所にならなければならないはずの妻の心が、もう夫であるサムに向いてない点だ。
正直に話さなければならないはずの模写がもっと欲しかった。人の心を揺れ動かすほどには描かれていない点が凄く惜しい。

帰還した兵士の問題点を描きたかったのか、変わり果てた夫をいかに家族だけでは支えられない点を描きたかったのかが最後までボヤけているように感じた。
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