旅するランナー

完全なる報復の旅するランナーのレビュー・感想・評価

完全なる報復(2009年製作の映画)
3.6
【クラウゼヴィッツの絶対戦争】

ウイキペディアによると、絶対戦争(Absolute war)とは敵を完全に打倒するまで戦う戦争の形態である。
プロイセン王国軍人カール・フォン・クラウゼヴィッツは「戦争論」において戦争の本質について考察を行っており、その本性を「拡大された決闘」であると捉えた。
すなわち戦争は物理的な強制力を以って敵に自らの意思を強制することであり、言い換えれば軍事力による敵戦力の殲滅を目指すことに他ならない。 

映画は、愛する妻子を目の前で斬殺されたジェラルド・バトラーによる、大掛かりな復讐劇である。
司法取引により犯人たちを極刑から免れさせた検事ジェイミー・フォックスがとばっちりを受ける。
戦略・資金・時間をとことん掛けて、憎い奴らを殲滅する主人公。
怒り心頭具合が半端ない。
あまりの徹頭徹尾ぶりに、結果として絶対うっそーと思えてくる。