むし歯治った

青い春のむし歯治ったのネタバレレビュー・内容・結末

青い春(2001年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画を見た頃に書いたレビューが裏垢から発掘されたので投下

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恋人におすすめされて ずっと見ようと前から思っていた映画を たまたまこのタイミングで観た

青かった ただひたすらに 私の知らない 一生関わることのできない世界で 血の赤と 黒と 空の青が その人達しか知りえない色で 見ることも出来なくて 悔しくなった 映画の世界だけれど それでもいつの時代かどこかに こんな場所は存在していて ワクワクした 不思議と 魅入るように眺めてしまって 九条の美しくてどこか掴めなくて儚いような空気を纏っているいくつものシーンは 私にとって救いだった 惹き込まれてしまったし 興奮が抑えられなかった... あの余裕も 空気も 全て憧れから嫉妬に変わってしまった青木の最後の行動は 少し切ないと思ってしまった あの一瞬で運命は変わってしまうけど それでも 最後に青木が感じていたのは孤独だけじゃなかったはず 近付きたくても近付けなかった境界線を超えた気がする

ある人のレビューで 『九条が「天国だよ」と言った学校を「地獄にしてやるよ」という青木 それに対する九条の「お前には無理だよ」という言葉。九条はきっと 番長とかそういった肩書きなど要らなかった、九条はただ幼い時のように青木とずっと遊んでいたかっただけだ。だから青木がいくら暴れまわって天国を壊そうとしたところで、彼自身の存在が学校を九条の天国たらしめているのだから「お前には無理」だったのだ』と書かれていた
やけに納得してしまった だからもう天国では無くなってしまった最後の九条の立ち尽くしたシーンとあの表情が痛々しく寂しいものに見えたのか
青木の望んでいた憧れと 九条の変わらない日々 求めるものがお互いすれ違ってしまった結果なのか
観終わった後 しばらくぼーっとしてしまった

映像の切り取りも 一つ一つが全て繋がっていて 空き缶やタバコの吸い殻ですらも綺麗だと思った
当たり前に泥臭くて汚い全ての日常も 美しいと思えた
この白く無機質な閉鎖的な空間で その狭い場所で生きるしかなくて それしか見えないから暴力も 苛立ちも 退屈も全部 受け入れて生きるしかなくて...なんだか懐かしくなった 少し似ていた 特に面白みもない窮屈な日々の中で変化を求める気持ちは誰もが経験しているだろうし 行動に移せないでぼんやりと過ごしていた私とは違った 勿体なかったな 少しだけ後悔している

九条の「咲かない花もあるんじゃないですか?」という問いかけに対する先生の「花は咲くものです。枯れるもんじゃない。私はそう思う事にしています。それは大切なことです。」という言葉とチューリップのシーン、
校庭に咲いている桜がところどころで散っているシーンが良かった
また来年の春に観よう 毎年 春になったら観たい映画だ