モモモ

スパイダーマン3のモモモのレビュー・感想・評価

スパイダーマン3(2007年製作の映画)
3.8
人生で初めての「映画館で観たスパイダーマン」なので特別な作品ではあるのですが、小学生時代の初見時を思い出しながらも「どうしてこうなった」と惜しい気持ちが押し寄せてしまいましたね。
とにかく詰め込み過ぎで慌しい作品だ。
後のアメスパ2と同じ様な問題を抱えながら、同じ様に解決もし辛いプロットになっている。
ハリーとサンドマンのみに絞れば収まりが良いだろうが絶対的な悪が存在しなくなるので最終決戦が盛り上がりに欠けてしまう。何よりヴェノムを削れば本作最大の魅力であるブラックスーツスパイダーマンと暴走するピーターを描く事が出来ない。ならばサンドマンを削れば…となると「許しの物語」を弱まりハリーとの物語にも不足が生じる。ドミノ倒し的に構成が破綻してしまうので、そもそもの企画から間違っていたのかも…。
製作の舞台裏を知ってる今だから言える話かもしれないが、やはり監督がやりたかった事を抑えつけてやらせる続編は碌な事にならない。
ハリーの復習はねちっこくて嫌らしいし、エディは前2作のヴィランとちがって「どうしようもない逆恨み小悪党」だし、MJの気持ちもわからなくもないが行動が軽過ぎるし、じゃあピーターはどうなんだと言えばこいつも行動が軽過ぎる。
浮かれる気持ちもわかるが、そりゃ彼女が見てる前でのデリカシー0のキスはアウトですよ。
何よりね、真実を知ってるならここまで拗れる前に全てハリーに話してしまいなさいよ、オズボーン家の執事さんは。
色々と拗れ過ぎですよ。ちゃんと話し合え。
駄作かと言われたら「んな事はない!!」と強く擁護したい作品ではあるのですが。何だか惜しいですよね。美味しい要素だらけなのに、という。
ブラックスーツスパイディを見ると少年時代のワクワクを思い出せるし、ピーター&ハリーの完璧な連携を見せる親友バディでの共闘には胸が熱くなるし、良い映画ですよ。
「あいつは良いやつだ。今日は何かあったんだろう」とピーターを擁護するボロアパートのオーナー。ライミ版は何処までも性善的な映画なのであった。
モモモ

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