このレビューはネタバレを含みます
なんだかややこしくしてしまったなあ、という印象。
サンドマンに黒い寄生スパイダー、ハリーに新入りと、悪い意味でめまぐるしかった。
結局色んなことが雑然と進んでいった感がいなめない。
映像は綺麗で面白く、CGもここまで進んだかあ!すごいなあと感心しつつ、サンドマンになった男や新入りカメラマンのもう少し細かい心情描写があればなあ、とか、黒のスパイダーの寄生の描写が、寄生の仕方や取れる取れないなどの基準ががばがはに見えてご都合的に感じたり、入ってゆけなかった。
ハリーの記憶喪失から取り戻すまでの心の変化なども、なんだか軽く感じ、いまいち伝わらなかった。
黒い寄生に関係なく、わりと出だしから天狗になっているピーターや、黒い寄生の為にMJのショーを台無しにするピーターなど、スパイダーマン1、2からのマグワイアの豹変ぶりは、役者としては面白く、才能に驚いたが、作品中の主人公としては鼻につき、愛せなかったし応援できなかった。
サムライミのスパイダーマン3作品の中では、私の中ではワーストかもしれない。
それでも、やはりマグワイアにはアメイジングには出せない、独特の気品とミステリアス感があり、MJもそれにしかりで、それが華となってアメイジングスパイダーマン1と比べた時に、脚本としてはどっこいどっこいだとしてもキャスティングや演技において、こちらがその分秀でていると感じる。
ハリーが記憶喪失になった時の、素に戻る感じ、ピーターとただ親友である関係に戻った感じが好きだ。
憎しみと親しみを併せ持つ役者は、なかなかセクシーで儚い。
そういう描写の魅力もあるので、こちらの方が脚本としてはアメイジング1より上回るかもしれない。