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或る女のseapony3000のレビュー・感想・評価

或る女(1942年製作の映画)
4.0
渋谷実らしさはまだ感じられない作品だけど、とにかく絹代がひたすら良い。徳大寺さんにあっけなく捨てられてから苦労のしどおし。芸者に入れ込んで山まで売り飛ばした兄貴の斎藤達雄は菊の栽培が趣味、仕事しろ、息子の世話までひっくるめて面倒みる絹代、良家の病気のお嬢さんの友だち係として勤める奉公先には馴染みの河村黎吉が金をせびりにくる。あー黎吉もほんと上手い!娘さんも見合い相手に振られて家出して絹代の実家に逃げ込んできたけどそのまま病気悪化して他界。立派に成長した甥っ子は佐野周二。養育まるまる援助してもらってるのに水商売は辞めてほしいのひと言で絹代はミシン女工でぶっ倒れ、昔馴染みの木暮実千代に世話になるも、徳大寺さんが困ってると聞けば貯金崩してお見舞いに。嫌なことされた奴には優しさ倍返しの絹代の無償の愛、というよりはこれまでの人生関わったひとすべてに感謝なマインド美し。いつのまにかちゃっかりイイ奴になってる黎吉サイコーだし、斎藤達雄兄貴がいちばん酷いよ。
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