結論から言うと好きな映画だった。
アルパチーノの存在感だけで見れてしまった。
どうしようもない悪人なのに憧れてしまう、そんな魅力があふれていた。
自滅していくギャングスターの話だが、アルパチーノの常にギラギラした目線や態度のおかげでトニー・モンタナという人物に説得力があった。
悪人なりに自分の信念を曲げない筋が通った男。それゆえに傷つき、不器用に振る舞ってしまう。この暴虐性とセンチメンタルな性格を併せ持つ人物、そこに魅力と面白さがある。
ただ崩壊していく様が忙しかったので、シナリオがもう少し丁寧だったらさらに面白くできたとも思う。
そんな男が招いてしまった逃げ場のない状況からの全てが崩壊していく様は分かってはいてもハラハラしながら楽しめる。
ラストの銃撃戦は素晴らしかった。
カタルシス溢れる仕上がりで、爽快そのもの。
マシンガンに怒りをのせてぶちまけるその姿は確かにファッションアイコンとしてのかっこよさがあった。
映像面では大満足な映画だったが、少しダサいシンセサイザー多用の音楽が惜しい感じが否めなかった。
重厚なストリングスとかだったらもっとかっこよくなった気がする。