半兵衛

サイクロンZの半兵衛のレビュー・感想・評価

サイクロンZ(1988年製作の映画)
3.2
悪党退治がメインのはずなのに主人公たちが恋愛など寄り道ばかりしているので、そうしたドラマに浮かれているうちに気がついたらボスたちと戦う羽目になったという雑な構成に。そのためか肝心のカタルシスが薄くなってラストの対決があまり盛り上がらないが、それでも全盛期の三人の超絶的なアクションが凄すぎるので見終わったあとの満足感が半端ない。

ジャッキー・チェンは弁護士役なのだが、あまり仕事に熱心ではなくよりによって裁判で戦っている女性に恋をしてしまう軟派な男。でもこの手の役を得意とするベルモンドに比べると結構紳士、相方が足を引っ張っていることも大きいけどもう少しボディタッチしてもよかったのでは…裁判中に自分が好きかを審問するという公私混同も甚だしいシーンは爆笑したけど。

チェンの相棒ユン・ピョウが精神を病んだ結構ヤバい奴で、『アンソニーのハッピー・モーテル』のディグナンと意気投合しそうなタイプ。サモ・ハンはチェンの協力者だけれど、ちゃっかりターゲットの女性と仲良くなったり『太陽にほえろ!』の刑事みたく麻薬中毒にさせられたりと美味しい役どころ。

それにしてもワンシーンで二階から地面に落下する場面を撮ったり、落下する際にわざとパイプなどにぶつかって痛さを強調する香港の役者さんたちのスピリットには唖然とさせられる。
半兵衛

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