新藤兼人監督による「終わりなき日常テイスト」が凄まじい日本映画の傑作の一つ。主演、乙羽信子さんの執念の演技が見られる。
内容は世間体(というかしきたり)に縛られ、虐げられる農民の一代記なのだが、不自由な社会を生きる現代人の感性にも割と響くのでは…？と思う。時代的にリンクする箇所あり。最終的に農民は権力者に追随するだけ。反抗のしようがない。
只々社会の不条理に翻弄され、巻き添えを喰らうだけの農民の生き様に日本人らしいマゾ的感性を発見した！さすがは新藤兼人監督。先見の明あり。横長のシネスコ画面いっぱいに広がる鈍色の風景もまた、効果的。
