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トゥモロー・ワールドのmoのレビュー・感想・評価

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)
4.9

世界的不妊が襲い、18年にわたり子供が生まれない異常事態が続く未来で、妊娠したひとりの少女と、彼女を利用しようとする人々から逃がそうと奮闘する男の逃亡劇。


『ROMA/ローマ』の監督、アルフォンソ・キュアロンが現役最高の撮影監督とされるエマニュアル・ルベツキと組んだディストピア映画。
世界観はSFでありながら、人々の迷いや不安がテロや紛争として世界の終わりを助長していく様を極めて現実的に描いた異色作。

この作品ではひとりの少女と、その少女の中に眠る命のために本当に大勢の人間が命を落とす。
しかしそんな中でのラストの長回しは、おそらくキュアロンとルベツキにしか撮れない、“生の奇跡”を実感させる最高のシーンだった。


原題は『Children of Men(人類の子供たち)』。
原題ママだったら5.0をつけたい。
チープなSFを連想させる邦題をつけた人はどうか全力で反省してほしい。
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