毱

愛の誕生の毱のネタバレレビュー・内容・結末

愛の誕生(1993年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

個人と共同体
渡り歩く人々の「共同体」とは?
結婚?子供?なんなのか??

『愛の誕生』とのタイトル通り
愛はいつ、どこで生まれるのだろう?何が証明してくれるのだろう?

フレームで切り取られた個。
フレームで切り取られたふたり。
どちらも対等に映してしまうし
そのふたりが変わってしまったとしても、同じように対等に映す。
それは交換可能性であるのか、交換不可能性であるのか。

2人の共同体が作り出す愛の産物が子供。
すなわち、この世のかつての子供たち(すなわち人)は、愛の証明に過ぎないのだろうか?
(愛の共産主義?→最初の星マークってそういうこと?)

共同体の産物と、所有権。
責任やらについて、どうしても考えてしまう。


母親の絶対性と父親の不確実性。
「父はひとりで大丈夫よ」とわざわざいうのは、そういうこと。

扉でのすれ違いが素晴らしい。

かつての話をする(共有する)のは?
「あなたには関係ない話かも」と男は喋る前に口にして、「あなたがしゃべるなら関係あるわ」と応答する女。
ここにいるのは、その過去の連なりであり、それらの過去を肯定するかのようであった。

ものすごく哲学的に考える余地のある映画でしたね、楽しかった。

「愛だけ 映画もお前のいない人生も孤独におびえる日々もない 美しい日常さ」

「愛してる」
「愛してるよ」
「証明して」
「子供を作ろう」
「キスすればいいのに」
「するさ、するよ」
そして(地下鉄の方へ)去っていく女。

子供が愛の産物ならば、
キスは、そして避妊し行われるセックスは何なのだろう?
それは、子供という実像を持たなければ、個人の幻影に過ぎないのだろうか????
そして、子供という実像は、すべて愛の産物なのだろうか?
毱