妻との冷めた生活の空虚を埋めるように愛人に走ったり、かつて捨てられた愛人に会うため国境を越えたりする枯れたおじさんたちの映画。愛の誕生というタイトルですが内容はそれに対比するようなものでした。
最後…
ジャン・ユスターシュの『ママと娼婦』的な会話劇。あれが彼が自殺した部屋だと、ジャンのことを語るシーンがあった。『愛の誕生』というタイトルを掲げながら描かれるのは愛の終焉というアイロニー。男女の間に蔓…
>>続きを読む「ママと娼婦」が女性視点とするなら、こちらは男性視点にみえた。
男と女がお互いに分かり合えるみたいな幻想は全く抱かせないし、登場人物はみな自堕落で共感出来る部分は少ない、しかも最後まで全く成長もしな…
フィリップ・ガレルの93年作。初ガレル。
ジャン・ユスターシュの「ママと娼婦」のような会話劇と映像としっとり挿入されるピアノ。
上部だけの会話から見る愛の空虚さ。妻に愛していると言えない夫。未練た…
ガレルのあまりにも強い露光で撮られた画面がかなり好きなことを思い出した。相貌の起伏を一掃してもなお僅かに顔の稜線に暮れ残っている疎らな陰影だけに抽象化された表情。ほとんど年齢不詳のようになる。古井由…
>>続きを読む男と女のあいだに横たわる果てしない断絶について。双方が同じフレームに捉えられるショットの、枕元でささやかれる空虚を撫ぜたような言葉の応酬がもの悲しさを誘う。人間どうしの関係における"愛"というものの…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
個人と共同体
渡り歩く人々の「共同体」とは?
結婚?子供?なんなのか??
『愛の誕生』とのタイトル通り
愛はいつ、どこで生まれるのだろう?何が証明してくれるのだろう?
フレームで切り取られた個。…
愛は求めれば求めるほど遠ざかる憂苦、求められれば求められるほど近づく憂苦。
しかし愛が生まれる瞬間は自らの過去を全て消し去り、正当性や道徳心など意味ない人間の存在意義が試される。
愛とは全人類が…
なんか超典型的なフランス映画って感じ。
ジャン・ユスターシュに似た雰囲気。
個人的にはユスターシュのほうが遥かに狂っていて好き。
でもレオーが見られただけで満足。
顔も体型も老いたりとはいえ、両手の…
ひとつの家族を、愛を、冬の凍てついたパリの夜を舞台に、モノクロームの映像の中に結晶させた傑作。
中年男2人の「愛の喪失と誕生」を限りなく静かに映し出した一作。主演はマルコ・ベロッキオの『ポケッ…