夜な夜なバーで男を漁るエリート捜査官アシュレイ・ジャッドが殺人課へ栄転したのを境に、これまでに関係を持った男たちが次々と殺害されてゆく、という盤石の設定以上でも以下でもない作品だが、もし興味を持った読者がいれば、オープニングの送別会（ジェームス・ブラウンの、よりによって「ゲット・アップ」が流れており、大写しになったアシュレイ・ジャッドのジーンズの尻からカメラが引いていく）で彼女が周りにせがまれ、一応は躊躇する様子を見せながらも興に乗ったまんざらでもない彼女が、「わたしがシェパード捜査官よ」と隠し芸なのかなんなのか、色気をふりまいてバッジを手にゆっくりとターンしてみせる場面の異常な雰囲気だけでも確認してみると良いだろう。
