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クレージーの怪盗ジバコのmitakosamaのレビュー・感想・評価

クレージーの怪盗ジバコ(1967年製作の映画)
3.4
20代に見た今作はよく覚えてるが、中学時代に読んだはずの北杜夫の原作小説は一切記憶にない。
クレイジー映画では異例中の異例、原作ありの映画だが、原作とは名前だけでだいぶ違うらしい。

変装の名人である怪盗ジバコを植木等が演じる。
この“変装”が今作のキーワードで、劇中の登場人物に変装し、物語内で可笑しな混乱を巻き起こす。
刑事役にハナ肇と谷啓。だがジバコの変装に騙され続け疑心暗鬼になり更に混乱させられる。
そんなジバコが「日本のホコリ」を盗む予告を出す。振り回される警察。

ヒロイン・ナナはお約束の浜美枝。ジバコの恋人を自認してマスコミを賑わす。
WCWCなる世界的な観光組合が海外に日本をPRする為に、有名になったナナをモデルに京都で撮影をする。
実はWCWCは国際的な窃盗団で撮影にかこつけて国宝を偽物とすり替え盗みまくる。
その宝を横取りしようと企むジバコ。

犬塚・桜井・安田・石橋も各所で出演し、やっぱりジバコに変装される。
あと、序盤にチョイ役で立川談志が出てくるね。当時から理屈っぽいキャラだったんだな(笑)
木の実ナナもキャバレーで恋のフーガを歌う役で出てる。

変装という演出上のギミックを、これでもかと脚本に盛り込んでいるのが実に素晴らしい。設定を活かした物語ってこういうものだよ。
盗みはするが貧乏人からは盗まない、暴力は極力しない、義賊怪盗の典型的な映画だね。

この時代辺りから問題になりはじめた公害についての風刺も効いてる。
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