ヘラルドスクエア

捜索者のヘラルドスクエアのレビュー・感想・評価

捜索者(1956年製作の映画)
2.9
That’ll be the day.
正しいお姫様抱っこ。
絶景モニュメントバレーにお馬の行進を堪能できる素敵な作品。
つい何度も見てしまう魅力があります、がっ…。
残念ながらとても人にはすすめないでしょうね。

ジョン フォード監督の様式美。
それに貢献するハリウッドきってのタカ派ジョン ウェインさん。美し過ぎるヴェラ”サイコ”マイルズさん、後半登場ナタリー”ウエストサイド”ウッドさんと役者は揃いましたー。

古き良きアメリカ!素晴らしき南部の誇り!
もうこんな映画は撮ることはできないでしょうね、いろいろな意味で…。
これほど現在との価値観の違いを感じさせてくれる名作もないでしょう。それは『風と共に去りぬ』以上の白人至上主義。
混血許すまじ。
コマンチ族の遺体をガンでオーバーキル。
絶滅危惧種を撃ちまくる。やめて〜。
頑固で封建的なサザンマンの典型を地でいくウェインさん。まったくヒーロー像とは程遠い胸くそオヤジです。(ウェインさん以外は比較的まともな人々なんですけどね)
今この作品を見て、素直にカッコいいと言えるとしたら、わたし的には
とても現代を生きている人とは思えないです。
個人的思い入れはそれとしても、スコセッシ監督、スピルバーグ監督大丈夫ですか。
70年近く前の映画のイデオロギーには何の罪もありませんが…。
淀川さんは草葉の陰で何を思うのか。