実家に帰りたくなくなる、家族映画(笑)。
樹木希林のいいおばあちゃんと、いじわるな毒舌の塩梅がリアルすぎる。
えくぼを誉めるくだりは、監督が夏川結衣さんに姑に言われていやなことを聞いたのがもとらしい。
最後バスに乗ったあと、「次は正月かぁ」と階段を上っていく両親の足元と、「もう正月はいいだろう」と笑い合う息子親子。
そこで主人公が呟く「あとちょっと間に合わないんだよなぁ」というセリフに、罪悪感がじわじわと刺激される。
この映画は、監督がご両親の亡くなったあと、このセリフを起点につくったらしい。
家族の嫌なところと、そこそこ良いところ。
おいしそうなごはん。美しい街。
亡くなった兄の不在の存在感。
そういう塩梅がすごい映画。
映画でしか描けそうもないものが、映っている。