ダウナーで、お互いはじめはとりつくシマのない、凪沙と一果が静かに近づいていくのがよかったな。
その自然さは、ストーリーからなのか、二人の演技からなのか。
姿が変わっていくなかで、凪沙の慈愛があふれていく、一果がそれを安心して受け止めていくのに、安心する。
バレエの先生の才能を純粋に見ているかんじにも、救われる。
「悲劇的なマイノリティ」の物語で、ステレオタイプを強めているという批判とあるみたい。
たしかに、ラストの流れはそんなかんじもする。
人の心を誠実に描いていたぶん、非当事者には映画として響いてしまったけれど。
新宿の場末感のある、ショーでの凪沙のダンス
静かに嬉しくなる、公園での2人のダンス
美しさが不安になる、屋上でのりんのダンス
きれい…と言った海辺でのダンス
マネした後ろ姿のあとのロンドンでのダンス
少しほっとしたエンドロール後のダンス
節目節目のバレエシーンがよかった。