むちゃくちゃな計画ですわ。
ロバート・アルトマンは、実は僕は『マッシュ』が意外にも苦手。
じゃあ、宇宙開発物はどうなんだろうと、そう期待もせずに見始めました。
うん、『マッシュ!』よりは違和感なく見られましたね。
とにかくソ連の先を越して月に人間を送りたいというアメリカ。
それも、ソ連の向こうを張って民間人じゃなきゃダメだという。
十分な訓練もないままに、民間人を宇宙空間にほっぽりだすむちゃくちゃさ加減。
とにかくこの映画で描かれるピルグリム計画と言うのがひどい。
とりあえず月までは送るから、あとはそこで生きてろ、そのうちアポロが迎えに行くからって…シロウトが考えても「そりゃダメだろ」って計画。
どう考えても、十中八九は死んじゃうでしょう。
それでもとにかく月に人を送ったという事実が大切だと考える国家によって、無事に月に送り込まれちゃった主人公。
そこで先に送り込まれちゃっていたソ連の宇宙飛行士の無残な死を目の当たりにしちゃう。
ソ連もアメリカもないだろう、こんな非人道的な計画は…という国粋主義の宇宙開発を批判した映画。
ラストは監督の意に反してハッピーエンドにされちゃったという、いわくつきの作品なんだそうだけど、重苦しい展開だから、とりあえずホッとはします。
でも、どうせこんなところじゃ生きていかないだろうから、バッドエンドの先延ばしみたいな感じはするけどね。
ちなみに、プルグリムってのは、1620年にメイフラワー号で北アメリカに渡った人たちのことらしいですけど…。
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