菜緒都

十一人の侍の菜緒都のレビュー・感想・評価

十一人の侍(1967年製作の映画)
3.0
すごい序盤でいきなり対決シーンが来そうな感じになって、「展開はや!」ってなった。観客を飽きさせないような配慮というか、心配りを感じた。
あと、市民の生活のショットを挟んだり、色恋とも取れるような展開も入れてて、全方位にサービスしてるというか、いろいろ入れてくるなーと思った。いい意味で。
でも「構図芸術」とでも言えそうな十三人の刺客の前半のような映像がやっぱり欲しかった。。

侍軍団の中に女性1人入れてるのもすごい。
暗殺シーンをまさか女郎屋(?)にするとは思わなかった。
ヒッチコック的サスペンス感もあるし、階段は「アンタッチャブル」も思い出した。

僕の嫌いな地図シーンが、「十三人の刺客」→「大殺陣」→「十一人の侍」と、だんだん簡略化してるのもよかった。 

画面的にはローアングルをバシッと決めにいったようなショットは少ない気がした。城内のZ軸直角の構図は相変わらずかっこいいけど。
あと、目の下から映る女性の横顔のアップとか、手のアップが工藤の時代劇っぽくない画面でびびった。
終盤の、走ってる馬を移動しながら前から撮るショットはかっこよかった。

でもやっぱり斬り合いが始まるとところどころグダグダ感が気になっちゃう。
しょうがないんだろうけど。
菜緒都

菜緒都