トトCINEMAライフ

K-19のトトCINEMAライフのネタバレレビュー・内容・結末

K-19(2002年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

先ずはアメリカ・イギリス・ドイツの製作だが、描かれるのは冷戦時代のソ連の新型潜水艦の舞台裏…というのが本作の大きな特徴

そして、ドンパチ戦闘を行う娯楽戦争映画でも無い❗

冒頭の、出航前から政府の思惑や、トップを始めとする人員転換の不安・装備の不備を抱えたままの船出には嫌な予感しかしない描写がされる…

そこは、実にスピーディーに進む

138分の作品を、2時間CM付きでテレビ放送したらカットだらけで、こうなっちゃうのか❓❗💧

クライマックスはじっくりだが…💧

厳格で融通性が無く やや功績に走りがちの艦長をハリソン・フォードが好演❗

元艦長で副官に就いたリーアム・ニーソンとの対立構図もありがちだが面白い…

特にリーアム・ニーソンは近年アクションのイメージが強いが本来こういった人間力を全面に出した役が素晴らしい❗
ハリソン・フォードもここでは演技合戦とばかりに睨みが効いている

但し、物語の核心は文字通り "核 ・原子力" にある

その描写は凄まじい❗

後のオスカー監督キャスリン・ビグローは、アカデミー賞を受賞した作品も、軍の爆弾処理をテーマにした"ハートロッカー"

彼女の、武器・兵器の恐ろしさや扱いを通じて人間の愚かさを強く訴えてくるメッセージはとてつもなく強い❗

終盤は、その問題解決と判断・帰国後の彼らの処遇がコンパクトに描かれるが、(名誉や誇り、英雄扱い)に何の価値があるのかは、戦争を知らない自分には理解し得ない…分かろうとしても邦画"八甲田山"のような無謀で虚しいな犬死にとしか思えない…・・・政府や軍のお偉いさんである老人達は(国の為)という大義名分の元、無茶な作戦ばかり立てるが結局は我が身の保身の為という愚かさにいつも気付かされる💢

また、結局は乗組員たちから賢明な艦長と描かれたハリソン・フォードも"アウトレイジ最終章"の大杉漣演じる、婿養子から指揮権を得た花菱会会長とダブって仕方なかった 苦笑💦

ラストの亡くなった乗組員達を弔うシーンでの老けメイクにはしみじみ外国映画は良いと思わされる

決して老けず、主人公の美男美女を美化する邦画・日本のドラマ製作者たちに改めて腹が立つ💢

変な終わり方😅