BS録画にて。
1955年の映画をリメイクしたものだそうですが、そちらは見ていません。
1935年のアメリカはカナダとの国境近くの町を舞台に、脱走犯二人が神父と間違われて・・・というストーリーです。
カトリックの教義や聖職者の作法を全然知らない二人を描いた抱腹絶倒の喜劇なのか・・・と思いきや、あまり笑えませんでした。
神父たちがニセモノに気づかないのは、お約束ですからまあいいとしても、筋書き的に二つ「?」が残ります。
まず、二人は名著を書いた聖職者と間違われたわけですが、では実際にこの町の教会にやってくるはずだった本物の二人はどうなったのか。この点に映画は全然触れていません。
次に、二人は凶暴な死刑囚が脱走するのに付き合うような形で刑務所を抜けだしたわけで、警察側は当然ながら合計三人を追ってくる。死刑囚の末路はしっかり描かれているけれど、なお残る二人を警察があきらめるはずもないのに、その辺は曖昧に終わらせています。
1935年は、欧米で経済恐慌が荒れ狂ってまもない時期。4年後にはヨーロッパで第二次世界大戦が始まります。そうした時代性は、貧しい母子に示されているのかも知れませんが、あまりはっきりとは描かれていない。
それやこれやで、期待値をやや下回る印象が残りました。