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プレステージのutakoのネタバレレビュー・内容・結末

プレステージ(2006年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

『しっかりごらん』の台詞で始まる今作。

19世紀末ロンドン。ボーデン(クリスチャン・ベイル)はライバルのアンジャー(ヒュー・ジャックマン)の瞬間移動マジックのトリックを知りたい一心で客として来場、彼のマジック中に舞台下に侵入すると、ボーデンの目の前でアンジャーが水槽に落ち溺死。その場に居たボーデンはアンジャー殺害の容疑で逮捕されてしまう…という導入から、なんだなんだと引き込まれました。

過去、アンジャーとボーデンは見習いを共にした同志であり良きライバルだったが、マジック中アシスタントをしていたアンジャーの妻がボーデンの不手際で溺死した事をきっかけに決裂、敵対関係になってしまう。
スター性はあるが発想力に欠けるアンジャー、地味だが奇抜な発想センスを持つボーデン。お互い新しいマジックを追求する中、才能への嫉妬、足の引っ張り合い、そこに妻を殺された復讐劇も加わり、マジシャン対決+愛憎ドロドロ劇なのです。

この作品の肝は『瞬間移動マジック』なのですが、そのトリックを利用し二転三転と裏切ってくる展開は捻りが効いてるというか、作品そのものにマジックさながらの仕掛けが施され、ラストどうなるのか読めないのがなかなか楽しかったですね。

マジックにはトリックが付きものですが、科学の力と称したファンタジー要素も少々あったりして、嘘か真か『奇術』と『現実』の境がわからなくなる感じも結構好きでした。
鳥ほんとに消してるんかーいと衝撃走り、猫ちゃんで試すシーンは非常にハラハラしました。笑

原作はクリストファー・プリーストの『奇術師』。クリストファー・ノーランのオリジナルではないのですが、ミステリアスで引き込む複雑なシナリオ構成は、監督が映像化したのも納得の作品だなーと思いました。

マジックは三つのパートで成り立つ。
『確認』(プレッジ)
『展開』(ターン)
『偉業』(プレステージ)
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