「銀嶺の果て」「ジャコ萬と鉄」「暁の脱走」に続き、谷口・黒澤コンビによる作品。

いわゆる脱獄ものだが、谷口千吉監督らしい山の景色がとても綺麗でもあるのが特徴。

北海道網走刑務所に収監されている不動こと坂口五郎。

刑務所内で真面目に過ごしていた彼が、生疵の助こと鎌田与助らと共に脱獄をしたと聞く久保。

彼を信用していた久保は、信じられないとうろたえる。

その後も逃亡を繰り返す坂口達。

その後、妻が違う男と通じていると唆された結果、坂口が脱獄をした事実を久保は知る…

脱獄ものと言う事で始まりがかなり面白い。

追う物、追われる者と言う大変シンプルな構成ながらも飽きずに最後まで観れる内容だった。

三船、志村コンビも相変わらず魅力的なのだが、本作に限って言えば、坂田まさ江と北原医師が主役と言っても過言では無かった。

日本映画専門チャンネル
2015.10

あと半年で釈放される予定だった模範囚の三船敏郎が脱獄した理由とは？

志村喬、三船敏郎、池部良とすごく豪華キャストで、同じ監督・脚本の「銀嶺の果て」に似た雰囲気の作品。

中盤以降は、水戸光子を追う三船敏郎と、さらに志村喬が彼を追うというシンプルな展開だけど、舞台となっている山の景色がどれもすごくて圧倒される。特に山から山へカメラがパンすると、山の上に点々と人がいるのが映る場面はすごく撮影が大変そう。これは映画館で見てみたい。