このレビューはネタバレを含みます
観終わったあと、こんなにもどんよりと重くのしかかる映画は久しぶり。
さすが、キム・ギドク監督。
この映画の紹介文に
「1970年代の米軍基地の村を舞台に、それぞれ痛みを抱える若者たちの青春を描いた群像劇」
とゆうのを見つけました。
ずいぶんとあっさりした紹介ね😅
中身はこんなもんじゃない。
誰一人として幸せになれない、悲惨で凄惨な物語。
そして、ワタシ的にこの作品に暗く大きな影を落としていると思うのが犬たちの存在。
韓国には犬を食べる文化があるとは知ってはいたけど、これは酷い。
冒頭に「本作は動物の安全を確保して撮影を行いました」とテロップが出るのだけど、心の中で「嘘つけギドク」と思ってしまった。
だって、キム・ギドクである。
さすがに殺すシーンは映さない。
数々の酷い扱いに胸が痛みました😭
①娼婦だった母と黒人米兵の間に生まれた混血の青年チャングク。
母親は帰らぬ夫をもう20年も待ち続けている。
何度も出す手紙はいつも受取人不明で戻ってくる…
②学校に通い英語を勉強する少女ウノク。
幼い頃に兄の作ったおもちゃの銃で片目を失う。
唯一の癒しは飼っている子犬。
③絵画店で働くジムフ。
彼の家は貧しく学校には行けていない。
毎月給料日には村の不良に給料をカツアゲされる。
好き合っていたウノクまで強姦されてしまう。
時代のせいなのか、貧しさのせいなのか。
ほんの少しの幸せを夢見るだけなのにそれは報われず、少しずつ狂っていく様が描かれる。
行方不明の夫との最後の絆だった息子。
彼の遺体を抱きながら口をモグモグと動かしている錯乱した母親。
ま、まさか…
私の”韓国映画あるある”に
村、集落、小島のように閉塞された舞台の作品は胸糞モノが多い、とゆうのがある。
これも言わんこっちゃない。
ある方のレビューに「今作は監督の実体験をベースに描かれた…」と書かれていて…😨
ほんと、ビビるわ〜💧
キム・ギドク…