ともぞう

残菊物語のともぞうのレビュー・感想・評価

残菊物語(1939年製作の映画)
3.5
淀川長治さんが邦画ベスト3(残菊物語、羅生門、戸田家の兄妹)にあげた1本。ストーリーは分かりやすいが、いろんなテーマが盛り沢山。親の七光りでチヤホヤされるが、実は才能のない子の苦悩。家柄の違いで結婚を認められない2人。貧すれば鈍す。糟糠の妻。愛すればこそ男から離れようとする女。貧しい時も見離さずに耐えたにも関わらず、結局報われずに亡くなる女。日本人の琴線に触れる戦前の映画。

〈あらすじ〉
二代目・尾上菊之助(花柳章太郎)は五代目・尾上菊五郎(河原崎権十郎)の養子として、甘やかされて育ってきた。そのため芸は未熟だったが、そのことを指摘する人は周りに一人もおらず、良い気になっていた。だが、乳母のお徳(森赫子)だけは菊之助のことを思い、本人に注意をするのだった。いつしか菊之助はお徳に心を奪われるようになるが、そのことに気づいた母親はお徳をクビにしてしまう。菊之助は家を飛び出しお徳の後を追って大阪へ向かうのだが…。
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