眠眠

時計じかけのオレンジの眠眠のレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.4
感想を上手く言語化できる気がしないのだけれど…
昔一度観た時30分くらいでリタイアしてしまったが、2001年宇宙の旅を観た後にどうしても最後まで観たくなってチャレンジした。
初めの方はただ暴力がエンターテイメントとして、ユニークな音楽や演出とともに描かれていて不思議な感覚(昔は違和感というか、心地悪く感じた)を覚える。だが最後まで観ると、暴力性こそ人間の根源的な欲求なのか?最初の暴力的な映像に対しての感覚はどこから生まれてきたものなのか?自分の善悪は何に基づいてるのか?わからなくなってくる。
人間の欲求(ここでいう犯罪性)を抑えるということは人間性を失わせることと同義であるかもしれない、でも作品内で治療が行われた時にそれは社会にとって利益的であると思ってしまった自分も既に管理社会に洗脳されている一員なのでは、、という考えにさらされた。
キューブリック作品に通づる芸術的な演習や音の使い方の素晴らしさはもちろん、人間本来の姿や社会に対する皮肉的な捉え方まで現代でも十分通用するテーマ性。好みがある作品だとは思うけれど、本当に凄いのはわかる。
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