はるこ

時計じかけのオレンジのはるこのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
3.8
映画史に残る問題作。
なかなか手が出ずにいましたがやっと観ました。

舞台は犯罪が横行する退廃したロンドン。仲間達と共に毎晩のように“ホラーショー”をするアレックス。ある日、仲間に裏切られたアレックスは警察に捕えられ刑務所に入れられてしまうが、新療法の実験台となり犯罪ができない体になってしまう。

不敵な笑みや少々幼さが残る言動が印象的なアレックスをマルコム・マクダウェルが好演しています。
作品中では15歳の設定というのには驚きですが😅

この作品は全体主義への批判を描いていると言われていますが、なんかもう作品の意図とかどうでも良くなるくらい強烈な視覚的・聴覚的インパクトだけが残る。

これでもかというくらいバイオレンスなシーンやセクシュアルなメタファーが散りばめられているけど不思議と下品にはならなくて、コミカルなクラシック音楽の使い方、シンメトリーの画角やさりげない小物に至るまで監督の美に対するこだわりが怖いくらいに感じられる。
その後いろんな人や作品が影響を受けているのも頷けますわ。

“完ペキに治ったね!”
はるこ

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