死霊ちゃん

時計じかけのオレンジの死霊ちゃんのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
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私の2016年上半期鑑賞作品の最優秀賞

大学の図書館で空いている時間になんとなく観はじめたので、「前衛的な感じの映画」という何となくすぎるイメージしか知らなかったのだけれど、

なんという最高のホラーショー!こんな上級シニーは久々に味わったよ。ドルーギーのおかげでスメックしながらスルージーだった。デボチカにイン・アウトするところなんて言葉にできないよ。(こんな頻度でこの映画独自の言語が登場する。とんでもない映画だと最初は思った。しかしこの独自の言語が観ている者を世界に引き込む重要な鍵なのである、、ちなみに言葉の解説は一切されないので調べながら観たけれど、慣れるとどんどん単語を覚えてくる。ドルーグ(兄弟)に仲間入りした気分になれてこの瞬間がとても良かった)

本当に全てが計算され尽くしていて、醜くて、美しくて、映画の中に溺れていくような感覚だった。近未来のファッション、建築、アートがあまりに秀逸すぎて一時停止して画面の隅から隅まで見た。ディストピア

メインキャラクター、アレックスのあの取り憑かれるような魅力は一体なんなのだろう。セクシーでミステリアスでファッショナブルでバイオレンスだった。

目も当てられない悪行のBGMは美しいクラシックの名曲たち 行為の残忍さがより際立っていた。特に「雨に唄えば」を歌い踊りながらリンチをするシーンはとても印象的だった。(エンディングにもこの曲が使われていたし)

アーティスティックなだけではなく、ものすごく社会的意義のある映画だと感じた、暴力が蔓延る世界と国家によって自由な選択が奪われる世界、一体どちらが理想とされるのか? そして性悪説。アレックスのラストシーンの恍惚とした表情は観た人の脳裏から離れないだろう、

「善は心より発するもの。善は選択され得る。」という牧師の言葉がとても印象深かったです とても好きな映画になった、小説も読みたい、、