nknskoki

時計じかけのオレンジのnknskokiのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.5
暴力を好む少年アレックス
政府は独自に編み出した矯正システムによって実験的更生を試みる

キューブリック映画のインテリアや小物が本当に好き
特に作家の家、裸体女性のテーブル、刑務所がお気に入り

ただの善人ではなく、善を知り悪を知りそして両者を心得た上でまた善に戻ってくる
天秤やヤジロベーや振り子は片方に振れただけではいけない、すべての物事は二元論であり必ず反復行為が大事なのだ
善→悪→善
闇を知らなければ光の尊さがわからない
光→闇→光、新しいもの→古いもの→新しいもの、贅沢→貧乏→贅沢、東欧→西欧→東欧、、、

ゴダールの映画同様、即興シーンがとても多いらしいけど僕はここに演劇の原点があると思う
写真家土門拳の絶対非演出のスナップ写真のように
僕は人間観察が大好きなので電車をホームで待っている時に向かいのホームをよく眺める
見てると本当に様々な人がいる
スマホをイジっている人、傘をゴルフクラブに見立てて素振りする人、子どもをあやすお母さん、立ちながらパンを食べている人、カバンの中をゴソゴソ探す人、、、
ここで向かいのホームに電車が到着する
今までそこにいた人が終演を意味する幕引きのようにすべて電車に吸い込まれていき、また違う人がホームに溜まっていく
友達と話す高校生、本を読むおじいちゃん、電話をするサラリーマン、、、

そう考えると向かいのホームは絶対非演出の演劇で、そしてそれはまるで電車が来るたびにシーンが切り替わるようで本当に面白い

関係のないことを語っていたらまた長くなってしまった…😂
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