圧力がかかればかかるほど、そのカゴの中から、枠から飛び出たいと思うのは人間普通である。今作のアレックスがそうだ。
行き過ぎた管理統制社会において、そんな圧力を逃れるべく彼らは暴力に走った。
描かれている暴力は理不尽で残酷で不快ながらも、美しく美化した芸術的な風である。
この内容は映画では社会と市民の関係で語っているが、何にでも当てはまる。
過保護な母親と息子の関係だったり、束縛するカップルだったり。
日頃溜まる鬱憤が爆発したら元に戻れない。
そんな人間らしい愚かさを未来社会で魅せたキューブリックの頭の中を覗きたい。