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時計じかけのオレンジのmomomのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.1
暴力、人間の罪、宗教が芸術に昇華されている作品。
暴力シーンと音楽、構図が芸術的。アルトラ、特にアレックスが「雨に唄えば」を歌いながらの暴力シーンは何度も戻して見た。目が離せない。そして、アレックスが尋問を受けるシーンでの流血も白と赤のコントラストも印象的で見惚れてしまう。

これがセンスなのか。
衝撃は何年経っても変わらない気がする。
こんなに本当の暴力を表現してるのに、時々凄く、本当に嘘っぽい。

「選ぶ能力。 ・・非行は防げても、道徳的選択を奪われた生き物に過ぎない。」
問題提起。宗教、キリスト、罪、聖痕へのオマージュ。
「操り人形」を連想させる。女性が襲われているシーンとか、アレックスの治療後の表情とか。

暴力から洗脳での非暴力、そして暴力性への回帰。
人間の普遍的なもの。根底にある人間の暴力性を否定していない。それが不自然な事に感じなかった。

誰かのフィルターを通したとき、この作品、その誰かの見え方も変わってくるんじゃないかなっていう。誰かを通じて作品を知りたい。その人の人間性、ちょっとした狂気も垣間見れそうそんな気がする。

目を開かされているとき、ドライアイを心配したけど、目薬の頻度はとっても人道的
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