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時計じかけのオレンジのStarstreamerのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.7
スタンリー・キューブリックが手懸けた、荒廃したロンドンにのさばる、「ウルトラバイオレンス」に興じる4人組、"ドルーブ"のリーダーアレックスが、殺人を犯し、政府の心理療法プログラムを受けさせられるまでを描いた風刺作。
所々にみられる部屋のデザインはエロティックでありながら秀逸で、この映画の序盤の勢いを表現している。一方アレックスが療法でおかしくなってからは、殺風景な病院や妻をレイプされ殺された反権力を謳う作家の~"ホーム"など、彼の無力感を表していると解釈。
クラシックの名曲に飾られる暴力とセックス。悪い行為とわかりながらも、何故か美しい。 政府の犬にされかけたアレックスは、最後に「回復」する。幾ら暴力を強引に矯正しようとしても、それはまた暴力を産むだけだ。 人間性は変えられず、繰り返す。
社会を痛烈に映し出した、語り継がれるべき名作。
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