どう振る舞うかではなく、どう扱われるか。
往年の名作たちがアタリ続きなので、長尺ゆえ渋っていた本作にも挑戦。
…すみません、私にはまるで合わなかったです、好きな方ごめんなさい。
まず良いと思ったことから。
オードリーの可愛さは言わずもがなとして、"口の悪い花売り"の演技が、ちょっと大袈裟なところ含めて愛らしかった。
英語の発音という角度から、階級身分の違いへアプローチした点もなるほどと勉強になった。
ミュージカルシーンも良い。どの楽曲もコミカルで明るい気持ちになれる。特に、イライザの父が歌う『運がよけりゃ』がお気に入り。これぞヒモの鏡。
ところが、これらの良さをすべて覆す、悪しきキャラがいた。
これはもう制作された時代が違うから仕方ないことだが、あのミソジニストの言動には終始イライラさせられ、気分を害された。
しかも、あろうことか、本作はこいつの勝利で幕を閉じる。頼むから、もっかいスリッパ投げつけて欲しい。
"それも愛ゆえ"で丸く収めようとしていたが、その手には乗らん。
紳士淑女の何たるかを教えてくれた大佐や、あのバカ王子の方がよほど素敵な男性だった。
「俺史上ワーストキャラ」に殿堂入りした点で、ある意味記念すべき作品となった。
不朽の名作といえど、やはり好みはあるもので。つまり、百聞は一見にしかず。