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ベティ・ブルー/インテグラル 完全版のkikuのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

大好きな映画です。
ベティは何らかの精神疾患を持っているのかも知れないけど、ゾルグの彼女への接し方、部屋をメチャメチャにしても気が済むまでやらせる感じ、彼女を愛しているという事で何とかなると信じている。結婚している訳じゃ無いし、ゾルグはベティの過去をあまり詮索しなかったんじゃ無いのか?セクシーな女に誘惑されても断る一途さ。彼じゃ無いと駄目な関係。子供は欲しかったけれども叶わなかったのは悲しく、産んだとしても育児のストレスで不安定になるかも知れないし、ゾルグと協力してちゃんと育てる事が出来たかも知れない。思わず他人の子供を誘拐してしまったり、自傷行為に走る姿は観ていて辛かった。
ゾルグが精神病院でベティを殺してしまう展開が、「カッコーの巣の上で」みたいだと思った。その後ゾルグは自殺するかと思ったけど、小説を書き、ベティが乗り移った様な猫ちゃんと会話してそのまま終り、ゾルグはあちら側へ行ってしまった感じでモヤる。でも、映画全体の印象は、自由に生きるカップルを羨ましく思っていたし、美しい風景が心に残る。常識や忖度なんか関係無い自由さ。周りからはイカれていると思われるけど、ゾルグ達を許す小説家志望だった警官、清掃業者のおじさんや馬鹿なルーキーと組むベテラン警官とのエキセントリックな人を見守る側同士の交流もあったりするし、周りの人間達もおかしな人間達ばかりで、普通って何?と思えてくる。
なんだかんだ言って、良い恋愛、若者映画じゃないかと思った。
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