MaruFuku

シン・レッド・ラインのMaruFukuのレビュー・感想・評価

シン・レッド・ライン(1998年製作の映画)
3.9
戦争映画にありがちな勝利のカタルシス的なやつはありません。
本作まではあまり取り上げられてこなかった太平洋戦争('42のガダルカナル島の攻防)、そして個々の兵士の等身大な心理描写、詩的なモノローグ、美しいフィルター無しの自然、現地の人々の暮らしと対比させる、激しい陸上戦。戦争への問いかけ。

独自の切り口で淡々と、生々しく綴る手法。あれだけの戦闘シーンやダメ上官へのイラつきも後には残らず、静的な、切なさを混じえたシーンや表情が浮かぶ。

オスカーも当然。俳優陣も実力派揃いですが、アクションより絶妙な表情を必要とする戦争映画、てあんまり無いんやないでしょうか。

長いですが、詩的さや哲学性を欲しい方にもお勧めです。
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