MaruFuku

攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3DのMaruFukuのレビュー・感想・評価

4.6
僕も0から1を産み出すより、1を他の1に変換したり2以上に発展させる方が得意なんですが、神山健治氏は士郎政宗氏の攻殻機動隊というものに自分なりの変換や発展を加えて世に出し評価された、それが神山作品Stand Alone Complexシリーズだったのかなと。

1作目でワクチンや利権、2作目では難民や軍事、そして本作では少子高齢化、全体を通してネットワーク社会に起こる「Stand Alone Complex」という現在・近い未来にある問題を、元ネタの魅力的な登場人物、プロットを活かしてアニメを通して再提起された。神山さんのやりたかったことが(多少小難しくても)伝わったなーと。
神山さんが抜けられた後の「ARISE」シリーズがヒューマンドラマに重きを置かれてる印象なのと対比した硬派な作りが好きです。

2nd. GIGから製作は7年後、作中では2年後となったSACシリーズ唯一の長編作品にして第三弾。

もともと神山さんはTVアニメシリーズ畑の方なので1本の長編作品としてはこれまで以上に理解難易度の高い詰め込み方をされてますし、傀儡廻のラストの長台詞は頭フル回転で、未だに「結局のところ誰が?」は論争の的ですが、これもまた攻殻機動隊の魅力の一つ。

また観てレビューを書き直したくなるんやろうなぁ…
MaruFuku

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