シン・レッド・ラインの作品情報・感想・評価

「シン・レッド・ライン」に投稿された感想・評価

映像は素晴らしい。さすMalick監督だ、アメリカの映画人の中の唯一の映像天才だ!映像と編集が大好きだ、いいセリフも入ってる。
けど内容について・・・結局ただの戦争映画だ。人が撃つ。人が撃たれる。人が叫ぶ。爆発。人が走る。別に面白いキャラクターもない、その上に僕には多すぎる、誰が誰かすぐ忘れちゃうぐらい。Hans Zimmerの音楽もどうでもよかった、ただ合唱を聴こえるシーンはすごく好きだよ、そのときにMalick感が光ってる。
例えば増村保造の「赤い天使」を観ると、やっぱり戦争映画が面白い話を語ることもできると気づく。「Apocalypse Now」も個人の経験を中心にする。

でもな。本当に雛を苦しませた?ひょっとして殺した?それは許せないことだ、残念ながら調べても情報が何も出てこない。クレジットには「No animals were harmed...」が書いてあるけどなんかリアルすぎるだ。
Morizo

Morizoの感想・評価

4.7
「シン・レッド・ライン」=「細く 赤い 線」は、正気と狂気の間の線という意味がもともとのようだが、戦場における死と生の間に引かれている線と勝手に解釈していた。

いずれの意味でも、この線の右に立つか左に立つかということは、その人の世界そのものを決めること。

それなのに、戦場ではこれが本当に小さな、運としか思えないような「なにか」によって決められてしまう。

その「なにか」っていったなに?

宗教の生まれてくるその場所にスポットがあてられながら、何も語られない。
美しい音と映像が語られない宇宙を埋める。


好みが完全に分かれそうであるが、私には至極の一作であった
富井

富井の感想・評価

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紙一重で表裏一体な「生と死」
丘の戦闘シーンの臨場感が凄い。銃弾がこっちに向かって飛んできた時は驚いた。
プロローグとエピローグが美しい
ごろう

ごろうの感想・評価

4.5
目の前のオジギソウに気を取られる男の心理はと言えば自我を形成する極限のラインを保つのに必死なのであって男はその時おそらくごく単純な接触傾性運動に世界の神秘を見せられていた。つまり、神の似姿のはずの豊かなる人間がそれ以上の何ものでもない肉塊であるという現実を突きつけられた反動として、神秘なるものへ繋がることを自らの同一性を延期させるための唯一の表現として紡ぐことで自我を保たざるを得なかったのではないかと想像してしまうのである。そのように、不気味な領域たる現実を突きつけられたその刹那に極限の兵士が見たであろう光景は思うに想像的な美しい自然なのだろうと思わされてしまって、だからこの映画に関して言われる美醜の対比は監督の観念的な構想から来ているのではあろうが、それよりも非日常の極限に立ち会った人間の生理に寄り添っているように見えて、これこそはいささか頭でっかちな戯れのような見た目に反して「映画的」なる実体のよく分からないが地に足ついた何某かのイメージに値するのではないかと思った。
ミッツ

ミッツの感想・評価

2.5
テレンス・マリック監督20年ぶり作品で錚々たる俳優陣が揃った作品。
ですが、マリックワールドで伝わり難いかなぁと。

1999.21本目
「戦争に物語はない、あるのは超える一線だけだ」

天国の日々も終わりを迎え20年の沈黙を経て製作されたテレンス・マリック監督祭り第2弾は、第二次大戦時のガダルカナル島を舞台にした史上最も美しい戦争映画にして、「ダンケルク」も「劇場版幼女戦記」も敵わないオールタイムジャンルベスト。

映像と音響をモノローグで介するマリック・マジックが戦地の若者たちの魂を代弁し、心の声すらも響かせない戦闘の激しさは俯瞰的でありながら体験型映画のような臨場感、どれだけの鮮血が流れようとも変わらない深緑に自然へ対する人間の矮小さを見せつけられる。

戦争という状況以上に若者たちの心情に寄り添うように奏でられたハンス・ジマーのスコアが素晴らしく、特にショーン・ペンとジム・カヴィーゼルの会話シーンでの融合は劇映画の演出を一つ上のステージに押し上げる、クリストファー・ノーラン監督が最も影響を受けた映画は本作ではないだろうか・・・そう信じている。
mare

mareの感想・評価

4.5
明日になれば隣の戦友が死んでいるかもしれない。寝そべる大地からは土の香り、草叢に飛び散る血。テレンスマリックの表現から自然の雄大さを映像美という形式からも突き抜けて、戦場そのものの匂いや爆風とともに土煙が吹き荒れる卓越したリアルを感じた。人間だけが特別な何かということは決してなく、どこまでも無数に広がる自然の一部でしかない。生命力溢れる情景に映し出される人間の脆弱な命が当たり前になる環境。今の今まで仲間を思いやり動いていた一人が、動かなくなりただの肉の塊となってしまう無情さ。人間の恐怖と慣れ、残酷にも適応せざるを得ないこういう実態が過去にあって、人が人を殺めることがいかに無意味で滑稽なことであるか痛いほどに胸に刺さる。戦争映画という枠組みを超えた命の尊厳への俯瞰には度肝を抜かれる。
しのの

しののの感想・評価

4.1
プラネットアースと化したテレンスマリック一作目。
俳優が異常に豪華かつ映像もいい感じに意識高くて良かった
〈麻薬的な高揚感も効き目が切れた最前線〉

 戦争の恐ろしさは、怯える人間からこそ見えてくる。『プライベート・ライアン』冒頭のオマハビーチのシーンを彷彿とさせる無謀な攻略作戦を、本作はもっと長時間に渡って描いていく。

 戦争に対して我々が思い描きがちなアドレナリン全開の興奮状態はとうに冷めてしまったようだ。前には機関銃、後ろには檄を飛ばす上官。逃げ場なき死線に立たされ、どこか美化していた戦争の格好よさや自信がいかに根拠のないものか気づいた兵士たちが震えている。

 しかし、マリックの詩的映像と戦争映画の相性もよいものだ。ガダルカナル島の原生林と個性豊かな野生動物たち。祖国で待つ妻との濃密な記憶。マリックの持つ風景や空間への感受性が、のどけさと過激な戦場のコントラストを際立たせている。
他の戦争映画とは違い、難解・抽象的・哲学的な感じ。かといってリアルさは失われているわけではなく、南の島の美しい景色のシーンとは対照的に戦場のシーンは兵士の緊迫した表情、
爆撃・狙撃の瞬間など緊迫感恐怖感はとても伝わってきた。

画面を見て登場人物を把握してお話が進むというよくあるスタンスで観る映画ではないように思う。

誰の目線でもなく、誰が主役でもなく、誰が悪でもなくただ淡々とその戦場を、人間の行為を描くという感じで終盤まで進んでいった印象。

これは今までとは違う重みがあった。それはもちろん戦争という人間の行為に対してでもあると思うけど、それを観客がひたすら静観するという、見る側にとっての重みも。

観終わって残るのは、戦争の無意味さ、虚しさ、悲惨さ、愚かさのみ。
私はこんなふうにこの映画の上っ面のメッセージしか捕らえられなかったけれど、もっと深いメッセージ、哲学的な何かがあるんだろうなとは感じた。
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