明石です

ディスクロージャーの明石ですのレビュー・感想・評価

ディスクロージャー(1994年製作の映画)
4.1
性悪だけどスタイル抜群の美人上司(デミ・ムーア)にハニートラップを仕掛けられ、窮地に立たされた男(マイケル・ダグラス)が訴訟を起こす話。逆セクハラというフェミニズム関連で議論を呼びそうな一触即発のテーマを扱った、バリー・レヴィンソン監督の1作。

主演のマイケル・ダグラスはいつも通りヤラレ役で、高価なスーツを身に纏った絵に描いたようなビジネスエリートながら、ちょっぴりだらしない男の役を好演。涙を浮かべて滔々と嘘を語るデミ・ムーアに恐ろしさを覚えつつ、少しイラッとしてしまった笑。大好きな女優さんなんだけどなあ。そんな感じで胸が悪くなるようなモラハラ話を経た後、ストーリーは仮想現実を絡めた企業内の椅子取りゲームへ展開。若干詰め込みすぎな気はするし、何が何やらと思いつつも、後味の良い幕引きに、そんなに悪い映画じゃなかったなという気にさせられる。いや本当に全然悪くない一作でした。

登場人物同士の、とりわけ弁護士を絡めた法廷闘争でのやり取りにくすりと笑えるシニカルさが込められていたり、はたまた一癖も二癖もあるストーリーのひねり具合に、さすがはバリー・レヴィンソンの映画だなと感心してしまった。ただの法廷ドラマや、単純な椅子取りゲームに徹するわけがない、作品へ切り込む目線にこれでもかというほどイマジネーションが込められてるのが素敵。この監督ほど過小評価されてる人もなかなかいないよなあとしみじみ思う。本作も小品ながら佳作でした。もちろん彼の作品の例に漏れずですが。

——好きな台詞
「セクシャルハラスメントは性でなく権力の濫用」
明石です

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