コマミー

フォーン・ブースのコマミーのレビュー・感想・評価

フォーン・ブース(2002年製作の映画)
3.5
【その出来事は、突然に】

※なんだか突然、この作品を観たくなったので、何となく観てみました。↓↓↓


ジョエル・シューマッカーの代表作の一つであり、自分的には実験的作品とも言える本作は、「依頼人」や「フォーリング・ダウン」といった、いわゆる[突然巻き込まれる系]・[理不尽系スリラー]と言われるサスペンスの代表作が本作なのである。

[公衆電話]から突然電話のベルがなったら、余程無関心な人でない限り、出ないであろう、[人が単純な生き物]である事を冒頭では示している。
こうしてまんまと、電話越しの[悪夢]に巻き込まれる主人公だが、主人公がなぜ巻き込まれたかを明確にする必要があるため、どこかに潜んでいる電話越しの犯人が主人公の目の前で、一般人を[殺す]のだが、ここでは人は自分を守るためなら、[臆病で卑怯になれる]ことを描いている。

「フォーリング・ダウン」を観た方なら分かると思うが、マイケル・ダグラス演じるあのサラリーマンと、本作の電話越しの犯人は、恐らくその人に同じ事を[訴えかけてる]。
    
     「世間を欺くな」

"世間に対して不満を持ちながらも、自分をも偽ろう"としている人々に訴えかけたのが、この2作なのではないだろうか。

この短い時間のなかで、それを伝える事が出来る本作は、素晴らしいと思った。
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