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モ’・ベター・ブルースのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

モ’・ベター・ブルース(1990年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

二股をするトランペッターの話。

物語らしい物語もなく、ジャズミュージシャンの日常を、恋愛を中心に描いた作品って感じかな。
意外と繊細な面もあるスパイク・リーによって、なかなかオシャレな映画に仕上がっていました。

一応、終盤に大きな事件が用意されているものの、前半から中盤までは特に大きな事件も起きないので、会話や雰囲気を楽しむべき作品なのでしょう。
演奏シーンのクオリティーは高く、見入ってしまうものがありましたし、スパイク・リーらしいドリーショットも健在。
主人公が2人の女性に同時に責められるシーンなんかは、編集の魔法が感じられて、映画ならではの表現になっていたんじゃないかな。

あとは、今となっては豪華なキャストも注目点。
デンゼル・ワシントンやウェズリー・スナイプスに加え、ジャンカルロ・エスポジートにジョン・タトゥーロ。
更には、サミュエル・L・ジャクソンまで登場してビックリしましたよ。
ミュージシャン役ではなく、チンピラ役なのもサミュエルらしいなと思ったり。笑

ラスト、主人公の救済を女性に丸投げするわ、結婚~出産までを大慌てで処理するわと、ちょっと雑味を感じる部分もありましたが、円環構造と思わせておいて、円環から外れるオチは秀逸でしたね。
社会派なスパイク・リー作品とは一味違う、彼のアート性を押し出した作品としてオススメです。
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