ネバギバちやん

SAYURIのネバギバちやんのレビュー・感想・評価

SAYURI(2005年製作の映画)
4.0
どんなにがんばって盛ってすら、元カレとですら、言えないオトコっているじゃん。誰しも。

あこがれだったひと。
ヤっただけのひと。

いや、まったくヤってすらない。
のに妄想、ムチャクチャしちゃったひと。

だれかが歌ってた、あの日、あのとき、あの場所できみに逢えなかったら、云々。
なんか、そんなことをふと、おもうときって、あるよね。



自分の選択肢。いまの以外の選択なんて絶対にないけど、でも、もし、あのとき、別のほうの分かれ道行ってたら、みたいな、しょーもない妄想。

その分かれ道の、Y字の股にふらっと立っていたような気がするオトコ。
思い返しても意味ないんだけど、なぜか、思い出してしまったんだ。

それは、あたしが、独りで、海外行きの飛行機に乗っていたからかもしれない。(突然の海外飛行機話。こっからそっちの話になるんでよろしく)
独りの長時間飛行機なんて、自分の人生の回想シーンを、じわじわ回想する以外やることないやん。

JALでもANAでもない、よくわからん海外製の飛行機のせまいエコノミーで、座席前についてるちーさいタブレットよくわからんままぽちぽちいじって、
だから邦題もよく分からず、なんとなーく、ぷち!
ジャケ買いてきなやつ! なんでもええ!

ぷちっと押した映画が本作、
「Memoirs of a Geisha」
邦題、SAYURI

これを無意識で選んでいたのは、たぶん、フィルマークス映画レビュー1200件書いている仲の良い男が、「おれさぁ、アカセンとか遊郭モノに目がないんだよね」ってゆうてたからなんだとおもう。
でも、邦題SAYURIが最初から表示されていたら、いまさら見なかったとおもう。
でも、本当にこの作品をいま観ることができて、よかったとおもう。

ところで、あたしが今回海外行ったのは、スイスなんだ。
スイスの、ユングフラウヨッホに行ったんだ。
ユングフラウヨッホ、知ってる?
ユングフラウヨッホは、なんつーか、アルプス。

ユングフラウヨッホてのは、なんか、絵葉書で見た気がする、雪山ね。アルプスの山。山脈。絵葉書で見た、空と雪と太陽。みたいなやつ、みんな絶対みたことあると思う、絵葉書で。

それがそのまんま、どーーーんと目の前にあったの。
とんでもない衝撃だった。真冬の氷点下のスイスの山。
ど雪山脈。凍死する寒さなのに雲ひとつない青空で、そこに円い太陽の後光。素晴らしかった。
それから、スイスのチーズフォンデュゥを死ぬほど食べて、たぶん死ぬまでに食べる量のチーズフォンデュゥを食べたの。

スイス旅の話をしはじめたら長いから戻るけど、「ユングフラウヨッホ」の、「ユングフラウ」ってゆうのは、
「処女」って意味なんだって。これだけ伝えたい。「ユングフラウ」、は、処女。
ヨッホは、意味しらん。

なんか、あたしがユングフラウヨッホに登ったの、クソみたいに天気良い日で、まっさおな青空とまっしろな真雪、それに黄金の太陽のひかりで、とんでもない情景の日で、あたしはやられてしまったね。

たぶん、あたしの処女は、ユングフラウヨッホに置いてきてしまったの。
だから、あたしのせいでユングフラウが処女って意味になっちゃったんじゃないかな。ておもうの。

ユングフラウヨッホの山頂に登って、凍えるような気温のまま深呼吸をしたときに、この映画「Memoirs of a Geisha」があたしと重なったんだ。

この映画は、遊郭で生きぬいた女性の幼少期からおとなになるまでの話で。
いろんなY字の股の分かれ道があっただろうに、ひとりの憧れ男性を追い続けて、人生翻弄されてしまう、みたいな話。

ヤったこともないオトコに、想いを寄せつづけて、生きる希望にするなんて、意味ないよ。

なんだけど、そうゆうクソ美談も、スイスの絶景の山の上だったら、もう、なんでもありなんよな、て、思ったの。おわり。

written by ユングフラウ(処女ね!意味)