男女5人が一夜にかかった
自己に向き合い 解放する魔法
日常感の中に見(魅)せる非日常。
自分を取り繕うのは簡単だけど
自身を曝け出すことが無いに等しい日常で
理詰めだけでは成立しない、
ふだん自分でも把握できず 本能的に
バリアを張った うちに秘めた複雑な感情、
自己と他者との不透明な隔たりを
言葉の応酬で打ち砕き人間の内面を掘り下げる
濱口監督の才能に酔いしれた貴重な2時間
序盤からどこか恋愛の縺れを匂わす不穏な空気、
大きな緩急もなく続く自然な会話劇が
心地いい緊張感を生んでいく
後半から展開される長回しのシーンが
どれも素晴らしい。
朝焼けのシーンで照らされるヒロインの
横顔の美しさ
不意に揺さぶられ うちから殻を破るように
ほんとの自分をぶつける男子達の愛おしさ、
異なるタイプだけど 小悪魔的な危うさが
放っておけない女子2人の不思議な魅力
『偶然と想像』にも出演してたメンバーも
みんな初々しさがあってとてもキュート。
占部房子さんは ずっと誰かに似てると
思ってけどジュリエットビノシュ♥️
一方通行の想いが交錯して悟りを開き
新たなスタートラインに立ったかのような
ズタボロなのに瑞々しいラスト。
魔法の解けた彼らは また同じ環境の中で
どこかほんとの自分を匿ったまま
また日常の空気に
馴染んでいくんだろうな…
2022-123-31
