友人同士の誕生会で結婚を報告したカップル、妻が妊娠中の男、一人フラフラしている男が彼女の家に行こうと言い出し、徐々に複雑な関係性が明らかになっていくというもの。関係性のスリルを追いリアリティは後回しにする濱口監督。下手を踏むとただの頭でっかちな会話劇になりうるが、会話の質感が徹底してるからか段々と気にならなくなっていく。リアリティを演出で追求している、というより役者が完全にこの役とシンクロしてしまったというか、そういう類の迫りくるリアルがあった。居心地は常に悪いけど若さでは走れなくて、でも大人の方が時折突拍子もないことをする。若さと大人になることへのアンバランスを見た気がした。