「自分は何者なのか」「何のために生きているのか」誰しもが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
この映画では、「理不尽」や「死」と正面から向き合うことで、社会を知り、「他者」を知り、そして知らなかった「自分」と出逢い成長していく少年たちが描かれています。
親のバックグラウンドや兄弟との比較などで判断するのではなくて、「自分」を見てくれて、よい面も悪い面も認めてくれて、そばにいて寄り添ってくれる存在に出逢えるかどうか、そしてその存在の大切さに気づけるかどうか。
これが、この物語のキーであり、世界中のすべての人の人生においても重要なことだと思います。
主人公ゴーディーにとっては、兄やリバーフェニックス演じるクリスがそのかけがえのない存在だったわけですね。
よく「子どもは親を選べない」といったフレーズを耳にしますが、この映画では胸が痛むほどそのことを意識させられます。
子どもは親の所有物ではないということ、そして
子どものアイデンティティや無限の可能性を大切に守ってあげることが親の務めであるということに気づいて。というメッセージが込められているように感じました。
私が特に好きなシーンは33:40から始まるゴーディーとクリスの会話です。クリスの包容力が遺憾なく発揮されています。この若さでこんなにも大人な考えを持った少年、果たして現実にいるのだろうか...。