みゆこ

ドント・ルック・アップのみゆこのネタバレレビュー・内容・結末

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

自分が信じるもの、信じたいものは賢く選ぶことが大事だなと改めて感じた。

どこまでも最高に皮肉めいていて、音楽も軽快で明るめのものが多いため、展開はかなり重いもののはずなのに、暗い気持ちにならずに観れたのも不思議な感覚で面白かった。

権力や地位でつながった関係の人たちと時間を共有しても、一時の優越感やそれに起因した少しの幸せを感じるだけで、本当の意味での幸せを感じることはできない。
経歴を教えあったって、それだけでは相手のことを知ったとはいえない。
その人の癖や価値観、すきなもの、そういった、長く時間を共有して自ら見つけた事柄が増えてはじめて「その人を知る」ことにつながるのだと思った。

印象に残った台詞:
“Although there are oceans we must cross and mountains that we must climb, I know that every gain must have a loss.”

↑海、山に限らず地球をでた後もこの言葉通りの展開になっていて良かった。地球で築いた権力なんて地球外では通用しない。自分の命を守るために息子を見捨ててまで脱出したのに、彼女の全てだった権力を失った結果、命を落とす形となり、そしてその周りに彼女の死を悲しむ人間が1人もいなかった。長く権力に溺れすぎて信じるべきものを見分けることができなくなり、かなり多くのものを失っていることがわかるいいシーンだった。

“Turn of it is, we really did have everything, didn’t we?”

↑一度、権力や地位が全ての世界に溺れかけたからこそ出てくる台詞なのだなと。短い一文だけれども、とても重く、熱い想いが詰まっていると感じた。
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