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スタンド・バイ・ミーのmasayaanのレビュー・感想・評価

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)
4.2
小さいころに1回、それなりに大人になってから1回、観ているはずなんだけども、ほとんどずさんな記憶しか残っていないのは、僕にとっての『スタンド・バイ・ミー』は『夏の庭』(原作も、映画も)だったからなんだろうなあ。あれは幼心に響くものがありました。DVD化されないかなあ、と密かに待っているのですが。

で、これ、3回か4回目かのトライで、ようやく記憶に留めつつ観ることができました。まさに少年時代(boyhood)と呼ぶしかない、あの一瞬にして永遠の季節に誘われました。もっとも、人が会話しているように見せるには?→ショット=逆ショット!、回想シーンに入ったことを示すには?→ディゾルヴ!、長い時間の経過を示すには?→フェードアウト!、といった具合に、モンタージュの教則本通りのショット構成は、正しいことしかやっていないがゆえの息苦しさを感じさせるのもまた事実。ひねくれていてゴメンナサイね。

一方、これは間違っているなと唯一感じたのは、未来からのモノローグですね。これは本当に、出だしの1回か2回でよい。「あの季節にはすべてがあった」とか、「帰った時には町が小さく見えた」とか、いやいや、それを観た人にじんわりと、ショットの持続でダイレクトに伝えるのが映画作家の仕事であるべきなのに(笑)、無粋な解説をまき散らして小説家のようなハンパをやってしまう。これは明確に稚拙でありました。逆に、最後のタイピングはアリだと思ったけれども。
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