このレビューはネタバレを含みます
この映画は、エンドロール前の主人公の最後のセリフからの約1分と、その後のエンドロールで出来ていると言っても過言では無いと思う。
そこまでのストーリーは、少し乱暴な言い方だが『普通の小学生の普通の夏休み』だ。もちろん、死体を見つけたり、拳銃を発泡したりすることなんてそうそう無いが、それでも一般的にロードムービーで取り上げられる事件と比較するとアドレナリンの出る量の観点で『普通』だと思う。
しかしその普通さ故に、最後の主人公のセリフは観る人の共感を誘う。
「あの12歳の時のような友達はもうできない、もう二度と。」
このセリフを聞いて、小中学生時代の友達の顔が頭に浮かんだのは自分だけでは無いはずだ。自分はいつも、近所の山で一緒に秘密基地を作っていた友達を思い出す。
不思議なことに、毎回観るたびに、すなわち12歳のその時から離れていくたびに、そのシーンで湧き起こる感慨が深まっていく。ノスタルジーとはそういうものなのかもしれない。
何度でも観たい映画。