回想で始まる作品。
手の付けられない悪ガキ4人組の、幼い時期の思い出。
将来もたぶん町から出られず、ずっと閉塞した環境で生きていくのかもしれない、というぼんやりとした不安を抱えていることが随所に見て取れる。
友人関係というのはずっと続くものではなく、いつだって簡単に切れる糸のようなものだ。
ひと夏の冒険が終わり、進路も別れ、疎遠になっていく。大切な思い出だけど、二度と会わない(わざわざ会う気のしない)友人たち。
クリスというのが本当に人間の出来た奴だった。ゴーディが、その細い糸を伝って、就職組にしようかと悩んでいたのを注意していた。
結局、ゴーディとクリスだけが進学組で、多分2人はあの4人の中で、お互い一番仲いい友達だったと思う。それで、二人だけが町の外に出る。それが何というか、割と現実的だなーと感じた。
回想で、かつての友達が刺殺されたという新聞記事を読む。もう10年も会っていない友達の死を、どうやって想像できるだろうか。
たぶん、ゴーディはクリスの死を想像できない。ゴーディは、他の2人と一緒に、かつての12歳の思い出を、一生故郷に思い出すのだ。彼の中では、「これまでと同じように」クリスの時間は止まっている。