Jean

スタンド・バイ・ミーのJeanのネタバレレビュー・内容・結末

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

2019.02.10 日本語吹き替え

まだ大人になれない12の少年たち

どこか幼くて、どこかませてる
そんな彼らを見て、自分はどうだったのだろうとふと思う


この映画を一言で言うなら
「痛みから生まれる優しさと強さ」

様々なサイトで「Stand by Me」の意味が書き連ねられていた

この意味は「側にいて」や「支えてくれ」というよりも
一時でもいいから
「そばにいてほしい そばにいて ボクをささえてほしい」
と言っているように気がする

ゴードンとクリスの2人を見てると特にそう思う

2人とも心に痛みを抱えていて、
誰にも話せないし、気がついてもらえさえしない

そんな彼らは自分の痛みをさらけ出す

ゴードンは兄の死と父の愛のない一言のせいで
自分の生きる意味を見失いかけている

クラスは大人たちの汚い一面を見て、
自分はああなりたくはないと思いながら、
生まれ落ちたこの環境に希望を失いかけている

そんな2人は橋を渡り、
街という現実から離れて行くにつれ
あるがままに自分の感情をあらわにしていく


子供は大人にならざる終えない

大人たちはたくさん傷ついているのに、
優しくあれない

隣人が傷ついてるのを見て、
手を差し伸べもしない大人もいる中で、
ゴードンに投げかけたクリスの言葉は本物だった

君は才能がある。
物語を書くのがうまいんだ
でもそれを誰かが育てなければ、
才能も消えてしまう。
君の親がやらないなら、
俺が守ってやる。

だから、ゴードンにとってクリスは
私はあの12歳の時に得た友人に勝る友人を、
2度と得たことはない

そういう友だったんだ

例え、もがき苦しんで、
ゴードンを守ってやれなかったとしても
ゴードンにとってクリスは
永遠に最愛の友人に違いない


余談で…

この映画を見て、子どもの頃を思い出せない私
あまり共感できる部分が少なかったからだろうか

大人の世界に飛び出して、
この映画を見たからこそ
そこまでノスタルジックな感覚にはならなかった

淡々とした感じが小説を読んでいるかのよう

なんだか、JUJUの曲を思い出してしまった

社会に出てはじめて、
人を傷つけること/自分が傷つくことへの心理を
知る悲しい大人たちに対して何か投げかけてる気がする

この映画もあの曲も

傷ついた数だけ、人は優しくなれる
人として深く温かくなれるそんなことを思える音楽

傷ついた人の側にいられる人は
強く優しい人なのだと思う
そんなこの頃

▼JUJU 『かわいそうだよね (with HITSUJI)』
https://youtu.be/9TUL2YgWSuA?list=RD9TUL2YgWSuA
Jean

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