僕は森下愛子が好きである。
70年代の無気力な青春物語には欠かせない存在。
そして、とてもかわいいのに体当たりの演技をするところに、女優魂を感じ、当時のそこらの気取ったアイドルとは一線を画していた。
その森下愛子が、
最も身体を張ったのがこの作品じゃないかと思う。
学業低下、家族不和から、家に戻らなくなり、
ヤクザの情婦に。
ヤクザとの間にできた子供は堕胎させられ、
雪国へ逃避行。
覚せい剤欲しさのため、トルコ(ソープ)に沈められ、ついには覚せい剤中毒になってしまうという、なんとも救いようのない役である。
頑張ってますよ彼女。
愛くるしい表情が観客の同情を呼ぶが、
残念ながら監督、脚本の内藤誠氏の、見せ方がうまくない。
ドキュメンタリータッチが売り物の本作。
あくまでもタッチであって、ドキュメンタリーではないのだから、
物語に起伏を付けてほしかった。
三浦洋一が下っ端ヤクザ。
風間杜夫が爽やかな古本屋の店員役。
もうちょっと、
大事に撮って欲しかったなあ・・・